腑抜けども、悲しみの愛を見せろ/本谷 有希子 [Book]
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「お姉ちゃんは最高におもしろいよ」と叫んで14歳の妹がしでかした恐怖の事件。妹を信じてはいけないし許してもいけない。人の心は死にたくなるほど切なくて、殺したくなるほど憎憎しい。三島由紀夫賞最終候補作品として議論沸騰、魂を震撼させたあの伝説の小説がついに刊行。
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今年は是非劇団、本谷有希子に巡り会いたい。
この作品はもともと舞台で上演され、後に小説、そして映像にもなっています。
戯曲のようなスピード感があり、時系列にきれいにまとめられていて、読みはじめは「とっつきにくいかなあ…」と不安だったのですが、意外とさくさく読めました。
恐ろしいまで自意識過剰の姉、その観察者の妹、家族の問題を抱え込んでいる兄に、その兄に暴力を振るわれてでもどうしようもないぐらいお人好しな兄の嫁。
妹の秘めても秘めてもにじみ出てくる残酷さが、もうなんとも。
読者をじわじわと毒に浸して行くような感覚。
後半の妹と姉の掛け合いはよかった。妹の投げかける言葉は、超自意識過剰な姉の胸に、とす、とす、とすとリズム良く弓矢を放っているみたい。
私は、どうしようもないぐらいお人好しな兄嫁が、この話を快方に持って行くのであろうと思っていたのだけれど、ラストの展開も驚いたなー。
その先に何があるか、という未来ことよりも、登場人物のカラダの底から溢れ出る悪意や憎しみの乱舞が、まさしく恐ろしかった。読み手もぐるぐると引っ掻き回されてる様。
気分的にぐったりしている時に読んでいたので、あー、ひっぱられるひっぱられる…気持ちごともってかれてしまう…とヒヤヒヤした。。。
装丁は祖父江慎+コズフィッシュで、イラストは山本直樹。
表紙は大きく文字を打ってインパクトがあり、人間のイラスト部分には僅かにインクが盛ってあります。見返し部分はまっピンク。これから何が起こるんだろうか、とページをめくる度に不安と期待に狩られます。
この小説自体は舞台用の台本を、小説用にアレンジ・ストーリー変更を行っているらしく、うん、本谷有希子作品、やっぱり舞台で見てみたいと思いました。
